投稿日 : 2021年12月3日
スマホ決済の手数料が有料化!事業者が知っておきたいこと
スマホ決済事業者はこれまで加盟店開拓のため、決済手数料を無料にしてきました。
しかし2021年7月から、順次スマホ決済手数料の有料化が行われています。
これまで無料だった決済手数料が有料になったことで、事業者にはどのような影響があるのでしょうか。
本記事では、スマホ決済有料化の流れや有料化に伴って事業者が知っておきたいことなどをご紹介します。
スマホ決済有料化の流れ
スマホ決済事業者は、これまで主に加盟店開拓のため、決済手数料を無料にしてきました。
決済手数料が無料ということで特に中小の事業者が多数導入することとなり、一気にスマホ決済の知名度が上がることとなりました。
しかし、2021年7月ごろから、これまで無料だった決済手数料が順次有料化され、2021年10月には各社とも本格的に有料化に踏み切りました。
加盟店は約3%の手数料を決済事業者に支払うこととなり、中小事業者にとっては負担が大きくなっています。
この手数料が店の利益を減らす要因となるため、スマホ決済を取りやめる事業者も増えています。
実質手数料0円キャンペーンの動き
決済手数料が店舗側の負担となり、加盟店脱退や新規加入の足枷となることを懸念したスマホ決済事業者各社は、実質手数料0円キャンペーンを打ち出しました。
スマホ決済事業者大手が行っている実質0円キャンペーンには、以下が挙げられます。
PayPay
PayPayは2021年10月1日以降手数料を有料化しましたが、2021年10月19日までのキャンペーンに申し込めばPayPayで決済された総額の3%を還元するキャンペーンを打ち出しました。
d払い
NTTドコモのサービスであるd払いは、新規で申し込んだ加盟店に対して2022年9月30日まで決済手数料を0円にするキャンペーンを行っています。
決済手数料が無料になるのは、協業先であるメルカリが提供している「メルペイ」と共通の2次元コードを利用したd払いでの取引です。
楽天Pay
楽天Payは2022年9月30日まで、新規申し込みの加盟店限定でQR決済手数料を全額キャッシュバックするキャンペーンを行っています。
また2021年12月27日までに申し込めば、2万円相当のカードリーダーが無料でもらえます。
有料化に伴って覚えておきたいこと
スマホ決済手数料の有料化は事業者にとって痛手ですが、一概にスマホ決済をやめたほうが得になるとは限りません。
たとえば、スマホ決済には以下のようなメリットがあります。
- 現金処理のための作業時間を減らせる
- 売上や在庫管理が容易になる
- 来店客層の拡大につながる
スマホ決済をやめてしまえば、これらのメリットを享受できなくなります。
なかでも、スマホ決済を良く利用する若年層や外国人などへの販売機会を逃してしまう可能性があり、売上が低迷する場合もあるでしょう。
スマホ決済を必要としない従来の客層だけで安定的な経営ができれば、導入は必須ではないかもしれません。
しかし、売上向上のための手段として新規顧客層の開拓が必要なのであれば、スマホ決済導入は効果的といえるでしょう。
決済手数料を支払いながら利益を出す方法とは
決済手数料を支払いながらでも利益を出すには、「来店客数を増やす」「客単価を増やす」「利益率の向上」が必要とされています。
来店客数そのものや1人あたりの購入単価が増えれば、利益率を上げられます。
スマホ決済導入によって、現金処理のための時間が削減できれば、在庫管理や売上施策などの業務に充てる時間が増やせます。
商品やサービス向上が可能になれば来店客数や客単価も増え、結果的に決済手数料を払ってでも利益を出せる可能性が高くなるでしょう。
有料化によって世の中に与える影響
決済手数料が有料化することで、特に中小事業者などはスマホ決済をやめたり、新規加入を躊躇したりなどといった影響が考えられます。
その結果、スマホ決済によって取り込みたかった訪日外国人や若年層を取りこぼしてしまい、国内経済の衰退につながる可能性もあります。
スマホ決済導入によるメリットを考えよう
スマホ決済手数料の有料化は、事業者に大きな影響を及ぼします。
スマホ決済事業者は、決済手数料実質0円キャンペーンなどを打ち出していますが、期間や対象者が限られています。
そのため、事業者はスマホ決済によって得られるメリットと利益の減少を比較し、どちらが自社にとって有益であるかを吟味する必要があるでしょう。