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決済における中央銀行の立ち位置。4つの役割りを解説

決済における中央銀行の立ち位置。4つの役割りを解説

決済において、中央銀行は非常に重要な役割りを果たしています。
しかし、具体的な役割りについては知らない方も多いでしょう。

本記事では、決済における中央銀行の4つの役割りについてご紹介します。

中央銀行の役割り①:紙幣と貨幣の発行

中央銀行の役割りの一つが、日本銀行が発行する紙幣(銀行券)と政府が発行する貨幣の発行です。
日本銀行法(中央銀行法)によると、中央銀行は日本で唯一銀行券(紙幣)を発行できる発券銀行です。
実際には、日本銀行券は国立印刷局によって作られ、中央銀行が費用を支払い、引き取ります。
そして中央銀行の取引先金融機関が、中央銀行の当座預金を対価にすることで、日本銀行券を受け取る際に「発行」されたことになります。

また補助通貨である「貨幣(硬貨)」は、日本銀行ではなく政府が発行します。
造幣局が製造した後に日本銀行に交付され、この時点で貨幣が発行されたことになります。
貨幣には年号が入っていますが、紙幣には年号が記されていません。
これは、貨幣は何十年でも使用できるくらい丈夫なのであるのに対し、紙幣は約5年で使用に耐えられなくなるからとされています。

中央銀行の役割り②:決済完了性

中央銀行の重要な役割りに、決済完了性があります。
「法律的に決済が完全に終了したこと」を指します。
発展途上国などで法律が未整備だったりすると、一度受け取ったお金を変換しなくてはいけない「不完全さ」が生まれるケースもあります。

また、相手の企業から小切手を受け取り、決済したつもりだったが、銀行に持ち込んで現金化する前に相手の企業が倒産したケースなども考えられます。
こうしたリスクを回避するには、以下の2つの方法があるとされています。

  1. 現金(紙幣・硬貨)の受領
  2. 中央銀行の当座預金の受領

中央銀行の当座預金での受領は、決済システムの最終決済が中央銀行の当座預金経由で行われることで実現されます。
中央銀行の当座預金は、現金として引き出すことができ、現金と同様とされています。
中央銀行に開設された銀行の当座預金口座でお金を受け取ることは、同時に決済完了性を持つことになります。

これは、ほとんどの国において決済完了性が法律で規定されているためです。
そのため、信用の最後のよりどころとなっています。

中央銀行の役割り③:資金の供給

資金の供給も中央銀行の役割りとされています。
金融・決済の分野での「流動性」とは、銀行口座における資金を指します。
中央銀行は、現金の発券銀行としてだけでなく、金融機関に対しての資金供給も行います。

さらに、金融政策としての資金供給(金融緩和)なども行います。
また決済分野においては、日中に口座で資金不足になった決済が止まった際に、その金融機関の口座に一時的に貸し出しを行うことで、決済を円滑に担う役目を担っています。

中央銀行の役割り④:民間決済システムの最終決済振替

中央銀行は、民間決済システムの最終決済振替も行っています。
民間決済システムの最終決済振替とは、中央銀行に開設された民間金融機関の口座で行われます。
中央銀行の口座で最終決済が行われた場合、民間の決済システムの全取引が「決済完了性」を持ちます。
近年では改革が進み、民間の決済システムの仕組みによって、1つ1つの支払いに即時決済完了性を持たせたものも登場しています。

重要な役割りを持つ中央銀行

中央銀行は、日本において紙幣や硬貨の発行、決済完了性、資金の供給、民間決済システムの最終決済振替など、とても重要な役割りを担っています。
上記で紹介した4つが主な役割りとなるため、事業者の方は覚えておくことをおすすめします。

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