投稿日 : 2023年11月10日
クレジットカードの誕生。起源や進化の過程を知っておこう
クレジットカードは、今や私たちの日常生活に欠かせない決済手段です。
しかしクレジットカードが誕生したのは、それほど昔のことではありません。
本記事では、クレジットカードの始まり、そこに関係する企業やシステムについてご紹介します。
クレジットカードの始まり
アメリカでは第二次世界大戦後、経済成長と共に人々の生活水準が向上し、外食や買い物などの消費活動が活発になっていました。
しかし、現金や小切手での支払いは手間がかかり、紛失や盗難のリスクもありました。
そこで、ニューヨークの実業家フランク・マクナマラと弁護士のアルバート・シュナイダーは、後払いによる支払いシステムを開発することにします。
このシステムは、加盟店でカードを提示すると、後日まとめて支払うことができるというものでした。
1950年、マクナマラとシュナイダーは、このシステムを「ダイナースクラブ」という名称で商標登録し、クレジットカードの発行を開始しました。
ダイナースクラブは、当初はニューヨークのレストランやホテルでのみ使用できましたが、徐々に加盟店を拡大し、アメリカ全土で普及していきました。
世界中に普及したのは1960年代
1960年代になると、クレジットカードはアメリカからヨーロッパや日本など、世界各国に広がっていきました。
日本では、1961年に日本ダイナースクラブとJCBが、それぞれ日本で最初のクレジットカードを発行したとされています。
その後1970年代以降に、VISAやMastercardなどの国際ブランドが日本に進出し、クレジットカードの普及が加速しました。
現在、クレジットカードは世界中で広く利用されており、私たちの日常生活に欠かせない存在となっています。
アメリカン・エキスプレスの歴史
世界中で使われているクレジットカードの一つに、アメリカン・エキスプレスがあります。
アメリカン・エキスプレスの歴史は、1850年に遡ります。
当時、アメリカではゴールドラッシュが起こっており、多くの人々が西部へ向かっていました。
ヘンリー・ウェルズ、ウィリアム・ファーゴ、ジョン・バターフィールドの3人は、荷馬車による急行便を扱う運送会社を統合し、アメリカン・エキスプレスを設立したのです。
アメリカン・エキスプレスは、荷馬車の運賃を支払うための「トラベラーズ・チェック」を発行したことで、急速に成長しました。
1891年には、世界初のトラベラーズ・チェックを発行し、国際的な展開を開始しました。
そして1958年には、世界初のクレジットカードを発行しました。
バンク・オブ・アメリカの誕生
バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州シャーロットに本社を置く、アメリカ最大の金融機関です。
個人、企業、機関投資家に対して、銀行業務、投資業務、資産運用業務、その他の財務管理及びリスク管理のための商品やサービスを幅広く提供しています。
バンク・オブ・アメリカの歴史は、1784年に設立されたチャタム・ナショナル銀行にまで遡ります。
その後、1904年にナショナル・シティ銀行と合併し、ナショナル・シティ銀行となりました。
2008年の金融危機をきっかけにメリルリンチと合併し、現在のバンク・オブ・アメリカとなりました。
知っておきたいインターチェンジフィー
インターチェンジフィーとは、クレジットカード決済があった際に、加盟店がカード発行会社に支払う手数料のことです。
クレジットカードでの決済は、カード発行会社と加盟店の間で、以下の流れで処理されます。
- 加盟店でクレジットカードで支払いを行う
- 加盟店がカード発行会社に決済を依頼する
- カード発行会社が加盟店に決済金額を支払う
- カード発行会社がカード会員の口座から決済金額を引き落とす
この流れの中で、加盟店はカード発行会社にインターチェンジフィーを支払います。
インターチェンジフィーは、国際ブランド(VISA、Mastercard、JCBなど)が設定しています。
カードの種類や取引額、加盟店の業種などによって異なりますが、国際ブランドではなくカード発行会社の収益項目となります。
また、クレジットカードの利用を促進し、加盟店の売上向上に貢献するものです。
インターチェンジフィーは、クレジットカード業界の重要な収益源となっています。カード発行会社は、インターチェンジフィーから得られる収益を、クレジットカードの利用促進や会員管理などに活用しています。
そのため、透明化が進むことで、クレジットカードの利用者や加盟店にとって、より明確で公正な決済環境が整っていくことが期待されます。
出典:経済産業省「インターチェンジフィーとは」
クレジットカードの起源は半世紀以上前
クレジットカードは1950年代のアメリカで誕生し、世界中に普及した決済手段です。
クレジットカードが普及した理由は、現金を持ち歩く必要がなくなり、支払いを後日まとめて行うことができる、ポイントやマイルが貯まるなどの利便性にあります。
今後も、クレジットカードの歴史はさらに進化していくことでしょう。