投稿日 : 2024年1月19日
UPIによるインドの決済発展。動向を知っておこう
インドの決済は、近年UPI(Unified Payments Interface)の普及により、急速に発展を遂げているといわれています。
本記事では、インドの決済事情やUPI決済システムについて解説します。
インドの決済事情
インドは決済において、中国、ケニア、アメリカなどとは異なるアプローチを取っているようです。
インドの決済は、近年急速な変化を遂げていますが、その背景には以下の3つが考えられます。
- 政府によるキャッシュレス化の推進
- モバイル端末の普及
- フィンテック企業の台頭
政府によるキャッシュレス化の推進
インド政府は2016年に高額紙幣の廃止を実施し、キャッシュレス化を推進してきました。
また政府は、UPI(Unified Payments Interface)やBharatQRなどの決済インフラを整備し、キャッシュレス決済の普及を後押ししています。
モバイル端末の普及
インドでは、近年モバイル端末の普及が進んでいます。
これにより、モバイル決済の普及を促進しています。
フィンテック企業の台頭
インドでは、近年フィンテック企業が台頭しています。
フィンテック企業は、モバイル決済や金融サービスなどのデジタルサービスを提供することで、キャッシュレス化を推進しています。
インドで広がる「UPI」決済システム
UPI(United Payments Interface)は、インド国立決済公社(NPCI)が運用する2016年に導入された、銀行口座間のリアルタイム送金サービスを提供するプラットフォームです。
UPIは、インドで最も普及している決済手段であるといわれています。
UPIのメリット
UPIのメリットは、以下が挙げられます。
リアルタイム送金
UPIは、銀行口座間の送金が即座に反映されるというメリットがあります。
従来の銀行振込では送金に数日かかる場合がありましたが、UPIでは最短数秒で送金が完了します。
利用のしやすさ
UPIは、スマートフォンで簡単に利用できるというメリットがあります。
UPI対応のアプリをダウンロードし、銀行口座を登録するだけですぐに利用できます。
リアル店舗での支払いにも利用可能
QRコードとの組み合わせによって、リアル店舗での支払いにも利用が可能です。
UPI決済システム普及による変化
UPIの普及は、インドの決済業界に大きな変化をもたらしているといわれています。
具体的には、以下の変化が挙げられます。
現金の利用率の低下
従来のインドでは、現金による支払いが主流でした。
しかし、UPIの普及により、現金を使わずに支払いができるようになりました。
そのため、現金の利用率は低下し、モバイル決済の利用率は上昇しています。
また、新型コロナウイルスの感染予防として、非接触型の決済システムが注目されたことも、普及の後押しとなったと考えられています。
モバイル決済の普及
UPIは、モバイル決済の普及を促進しています。
スマートフォンで簡単に利用できる決済システムのため、スマートフォンの普及とともにUPIの利用も拡大しています。
金融包摂の拡大
UPIは、銀行口座を持っていない人でも金融サービスを利用できます。
UPIの普及により、インドの金融包摂率は向上しているようです。
インドでは、銀行口座を持っていない人が未だに多くいると推定されています。
しかしUPIを利用することで、銀行口座を持っていない人でも、送金や決済などの金融サービスを利用できるようになります。
電子決済に馴染みのない層への対処
UPIは、これまで電子決済に馴染みのなかった層への対策も進めています。
インターネットが接続されていない、または接続環境の悪い地域に向けに、UPIの派生サービスである「UPI 123Pay」と「UPI Lite」などが提供されています。
「UPI 123Pay」は、フィーチャーフォンを利用した送金サービスです。
インターネットに接続しなくても、指定された電話番号に電話をかけることで送金を行えます。
「UPI Lite」は、対面でのオフライン決済サービスです。
決済処理センターと通信しなくても、送金を完了できます。
今後もインドの決済方法は進化していく
インドの決済方法は、今後もさらなる発展が期待されています。
キャッシュレス化をさらに推進し、決済インフラの整備を進めていく方針のようです。
またフィンテック企業は、新たな決済サービスを開発し、競争を激化させていくことが予想されます。
UPIは、今後もインドの決済業界の標準となり、その重要性はますます高まっていくでしょう。
UPIの最新動向を把握しておくことは、インドビジネスに携わる企業や個人にとって、必須といえるでしょう。