投稿日 : 2021年12月24日
キャッシュレス決済の導入状況。各業種の導入条件を紹介
キャッシュレス決済という決済手段は政府の施策もあり、ここ数年で一気に浸透しました。
消費者にも事業者側にもメリットがあることから、各業種で導入が進んでいます。
しかしキャッシュレス決済にもさまざまな種類があるため、どれを導入したらよいか悩んでいる事業者も多いのではないでしょうか。
本記事では、2021年のキャッシュレス決済の導入状況や導入条件などをご紹介します。
キャッシュレスの導入状況
経済産業省が発表した資料「キャッシュレス決済 実態調査アンケート集計結果」によると、キャッシュレス決済の導入状況は以下のようになっています。
全体
全業種の事業者、1,189社が回答したところによると、キャッシュレス導入率は約7割にのぼっています。
クレジットカードやコード決済は半数以上の事業者が導入していますが、電子マネーは1/4程度です。
業種別では、飲食業、小売業、観光業などでキャッシュレス化が進んでいるとされます。
一方で、サービス業や製造業、建設業、一次産業、卸売業などではあまりキャッシュレス化が進んでいないという結果でした。
クレジットカード
クレジットカードの導入率は55%です。
小売業や環境業で導入率が高い一方、製造業や建設業などではほとんど導入が進んでいません。
数千円~5万円未満の単価率で導入率が高い一方、低額や高額な単価率では導入率が低くなっています。
交通系電子マネー
交通系電子マネーの導入率は他と比べて低く、25%という結果でした。
飲食業や小売業で導入率が高い一方、製造業や建設業などではほとんど導入されていません。
数千円程度の単価で導入率が高く、高額の単価を扱う事業者では導入率が低い傾向にあります。
非交通系電子マネー
非交通系電子マネーの導入率は交通系電子マネーと同様の25%です。
飲食業での導入率が高く、製造業や建設業などではほとんど導入が進んでいません。
5千円~1万円未満の単価帯で導入率が高く、高額の事業者では導入率が低くなっています。
コード決済
コード決済の導入率はクレジットカードと同様の55%となっています。
飲食業、小売業、観光業で導入率が高くなっています。
低価格帯、特に千円~3千円未満の単価帯での導入率が高く、高額の単価率の事業者では導入率が低いという結果になっています。
出典:経済産業省「キャッシュレス決済 実態調査アンケート集計結果」
キャッシュレス決済の導入条件
キャッシュレス決済を導入する前提条件として、導入の際の上限は「2%台まで」と答えた事業者が全体の8割を超えました。
また、入金サイクルは月1~2回のサイクルでも対応可能な事業者を選んでいる割合が高くなっています。
各業種別の未導入理由には、以下が挙げられています。
飲食業
飲食業ではキャッシュレス決済を導入しない理由として、「手数料が高い」が1位となっています。
次いで、「入金サイクルが遅いのが困る」「導入のメリットが不明」と続きます。
手数料負担や資金繰り、初期費用の負担が理由となっている割合が高いという結果でした。
小売業
小売業も飲食業と同じく、「手数料が高い」が1番の理由となっています。
また「客からの要望がない」「導入のメリットが不明」と続くことから、資金繰りや導入メリットが不明瞭なことから、導入に踏み切っていないことが見て取れます。
サービス業
サービス業では「客からの要望がない」が1位、次いで「手数料が高い」が挙げられています。
顧客からの要望がなく、手数料も高いことから未導入の事業者が多いことが分かります。
一次産業・製造・建設等
一次産業、製造、建設等では「客からの要望がない」「導入のメリットが不明」なことが主な理由として挙げられています。
顧客からの要望もなく、メリットを感じられないことを理由とする割合が多いことが分かります。
出典:経済産業省「キャッシュレス決済 実態調査アンケート集計結果」
クレジットカードとコード決済の導入率が高い
2021年のキャッシュレス導入状況調査では、何らかのキャッシュレス決済を導入している事業者は約7割と高い結果になりました。
なかでも、クレジットカードとコード決済の導入率が高いことが分かります。
ただし、手数料の高さや導入メリットが感じられないことから、導入に二の足を踏んでいる事業者も多いため、今後手数料の変更などといった動きがあるか注目されています。