投稿日 : 2023年1月27日
決済における銀行の役割。再編で取り組まれていることを解説
決済には銀行などの金融機関が関わっています。
では、具体的にどのような役割を持っているのでしょうか。
本記事では、決済に関わる金融機関の分類、銀行の再編と銀行口座などをご紹介します。
金融機関の分類
決済に関わる金融機関は、金融庁の分類では以下のように分けられています。
「都市銀行」
- みずほ銀行
- 三井住友銀行
- 三菱UFJ銀行
- りそな銀行
「信託銀行」
- 三菱UFJ信託銀行
- 三井住友信託銀行
- みずほ信託銀行
- 農中信託銀行
- 野村信託銀行
- SMBC信託銀行
- オリックス銀行
- 新生信託銀行
- 日証金信託銀行
- 日本カストディ銀行
- 日本マスタートラスト信託銀行
- ステート・ストリート信託銀行
- ニューヨークメロン信託銀行
「その他銀行」
- PayPay銀行
- 住信SBIネット銀行
- ソニー銀行
- 大和ネクスト銀行
- 楽天銀行
- auじぶん銀行
- イオン銀行
- セブン銀行
- あおぞら銀行
- 新生銀行
- ゆうちょ銀行
- 整理回収機構
- SBJ銀行
- GMOあおぞらネット銀行
- みんなの銀行
- ローソン銀行
「外国銀行支店」
- 地方銀行
- 第二地方銀行
- その他銀行
- 銀行持株会社(免許)
- 信用金庫
- 労働金庫
- 信用組合
- 系統金融機関
- 兼営信託金融機関
銀行再編の現状
2006年時点で都市銀行は再編が終了し、3メガバンク・4大銀行の体制になりました。
近年では、金利や低い経済成長により、銀行の経営状況が悪化しています。
そして菅首相が「数が多すぎる」と発言したことも発端となり、銀行業界、特に地方銀行などが再編や改革の時期を迎えました。
目下、上場地銀の半分が減益・赤字になっているとされています。
2020年3月末には、地方銀行100行のうち、40行以上が赤字で、うち31行は5期以上の赤字となっています。
約10年後には約6割の地方銀行が最終赤字になるともいわれています。
地方銀行への支援
一方で、地方銀行への経営支援もなされています。
日本銀行は、経営統合や経費削減をした銀行の当座預金に、上乗せ金利を付けました。
また金融庁は、コンピューターシステムの統合に必要な費用の一部を助成します。
金融庁の金融審議会銀行制度などのワーキンググループなどで、銀行経営の方向が決まっています。
- 銀行の統合や異業種からの出資
- 経営改善のための経費削減
- 新業務の開始
- 地域貢献のための出資
各行では、まず店舗の統廃合が進められています。
銀行口座の意義
銀行に口座を開設するということは、どの国においても「信用」の証になります。
銀行の本人確認済みのクリーンな預金口座を持っているということになるためです。
日本では、1人あたり約6口座持っているとされています。
銀行は中央銀行に開設された口座を通じて、最終決済を行います。
これは、金融の信用のよりどころとなるため、基本的には中央銀行に銀行以外は口座を開設できません。
新型決済インフラとは
新型決済インフラも、決済システムに参加する見通しとなっています。
日本では携帯電話(スマホ)を持っている人は約7割とされており、銀行口座保有者の方が多くなっています。
新興国ではこれが逆転しており、携帯電話を持っていても、銀行口座を持っていない層もいます。
この層が、スマホ決済などの新型決済インフラのターゲットと考えられているのです。
しかし、決済システムの最終決済を行うには、日本銀行に口座を保有していなければいけません。
またRCに接続が必要など、条件がいくつもあります。
銀行の役割について知ろう
近年では、銀行の経営環境が悪化しているため、再編が進んでいます。
特に都市銀行は赤字のところも多く、統廃合が進んでいる銀行が多くあります。
新型決済インフラは、銀行に口座を持っていない層も取り入れられると考えられているので、今後も多くの国で導入が進むと考えられていることを、知っておくことをおすすめします。