近年、キャッシュレス化は急速に進んでいます。
街中の店舗でも、クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など、さまざまなキャッシュレス決済サービスが導入されています。
一方で、現金を貫く人も依然として多く存在します。

本記事では、キャッシュレスと現金の現状、キャッシュレスと現金のそれぞれ支払いが多い場面についてご紹介します。

「キャッシュレス」と「現金」の使い分け現状

経済産業省の調査によると、2023年のキャッシュレス決済比率は39.3％126.7兆円）と発表されました。
内訳は、クレジットカードが83.5％（105.7兆円）、デビットカードが2.9％（3.7兆円）、電子マネーが5.1％（6.4兆円）、コード決済が8.6％（10.9兆円）となっています。
この結果から分かることは、キャッシュレス派は増えてはいるものの、「キャッシュレスだけ」を使っている人は現金と比較して少ないということです。

出典：経済産業省「2023年のキャッシュレス決済比率を算出しました」

キャッシュレスと現金を使い分けている人が多い

さらに他の調査では、「現金とキャッシュレス決済を使い分けている」という人が約4割いるというデータもあるようです。
使い分けている人は、どちらか一方だけを使うのではなく、店舗や状況によって現金とキャッシュレスを使い分けていると考えられます。
この背景には、「どの店舗でもキャッシュレス決済が使えるわけではない」という現状があると考えられるでしょう。

キャッシュレス決済による支払いが多い場面

ここでは、キャッシュレス決済による支払いが多い場面について、一例をご紹介します。

顧客単価の高い商品を扱う店舗

高額な商品を購入する顧客は、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済を利用する傾向にあります。
→例： 家電量販店、家具店、アパレル店など

複数商品を購入する顧客が多い店舗

複数商品を購入する場合、現金で支払うよりもキャッシュレス決済の方がスムーズで、会計時間を短縮できます。
→例： スーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストアなど

海外からの観光客が多い店舗

海外からの観光客は、自国のクレジットカードや電子マネーを利用することが多いため、キャッシュレス決済を導入する店舗も増えています。
→例： 土産物店、免税店、観光スポット周辺の飲食店など

ネットショップ

ネットショップでは、顧客が自宅から気軽に買い物できるため、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレス決済が主流となっています。

現金による支払いが多い場面

ここでは、現金による支払いが多い場面についてご紹介します。

顧客層に高齢者が多い店舗

高齢者はキャッシュレス決済に慣れておらず、現金の方が安心できる方が多いためと考えられます。
→例： 飲食店、理髪店、クリーニング店など

個人事業主や小規模店舗

クレジットカード決済手数料の負担が大きい、決済端末の導入・運用コストがかかると考えている店舗は、キャッシュレス決済端末を導入していないケースもあります。

医療費の支払い

病院や薬局などでは、キャッシュレス決済端末を導入していないことも多いため、現金支払いのケースが多く見られます。
また病院や薬局などに多い高齢者などは、キャッシュレス決済を使用しない人が多い傾向にあるため、現金の支払いが多いといえるでしょう。
→例：病院、薬局など

支払い方法は今後もしばらく「使い分ける派」が主流となる

キャッシュレス決済は、私たちの生活をより便利で快適なものにする可能性を秘めています。
今後も、消費者は利用できる場所やサービスがさらに増えていくことを期待しているでしょう。
ただし現金は、店舗側にとってもさまざまなメリットをもたらします。
高齢者向けの店舗、個人事業主や小規模店舗などでは、キャッシュレス決済の導入が難しい場合も多く、今後も現金決済が主になると考えられます。
このように、キャッシュレス化が進む現代社会においても、現金はなくてはならない存在といえるでしょう。

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